北海道の道東地方に位置する十勝。人口は約36万人で、帯広市をはじめとする1市16町2村で構成されています。十勝といえば畑作、酪農など農業がさかんなことで有名。カロリーベースの試算によると、十勝の食料自給率はなんと約1,100パーセント。日本の食料基地とも言われ、おいしい食材に恵まれた地域なのです。また、四季折々の自然を楽しむことができるのも十勝の魅力。特に冬の間は日高山脈で雪雲が遮られる影響で、晴天の日々が続き、通称「とかち晴れ」とも呼ばれます。そんな十勝の観光スポットなどの基本情報をここではまとめてみました。
総面積は新潟県、秋田県とほぼ同じで東京都の約5倍。十勝最北端(陸別町陸別原野)から最南端(広尾町ビタタヌンケ)までの距離は約177km。車で約3時間30分ほどかかります。人口密度は1㎢当り31.8人。東京都の194分の1しかありません。
蓋が閉まらないほどのボリュームがある丼は、大輪の花が開いたような豚ロース肉がたっぷり。帯広市内には、豚丼が食べられるお店が200軒以上もあるそうで、近年は豚丼目当ての観光客も多く訪れます。秘伝の甘辛いタレがしみた豚丼は、一度食べたら病みつきに。お店によって、タレの味にこだわりがあり、焼き加減が違うので、食べ比べも楽しみです。
北海道には動物警戒標識がたくさんあります。「動物注意」にしてもシカ、キツネ、クマなどさまざまな絵柄が描かれています。なかには「牛の横断注意」というのも。帯広ではエゾリスの交通事故が多いといいます。
十勝は1人あたりの自動車保有台数が最も多く、また長く乗り続ける人も多い車社会となっています。一家に一台、ではなく、一人に一台の考え方。街は碁盤の目状になっており、道路幅も広く直線道路も多い土地です。ちなみに道路の総延長が北海道で一番長いのは帯広警察署管内だそうです。スピードの出しすぎにはくれぐれもご注意ください。
気温差が大きく厳しい反面、おいしい農作物ができる土地でもあります。
内陸性気候の十勝は夏と冬の気温差が最高で50℃以上あり、一日の気温差も20℃を超えることがあります。この寒暖差は人の暮らしには厳しい面もありますが、四季折々の十勝の美しい自然を生み出し、農作物の生育にはかかせないものとなっています。
十勝石とは黒曜石のこと。大雪山の激しい火山活動によって、火成岩の溶岩が急激に冷やされ、結晶せずに凝固した非結晶の天然ガラスです。最近は少なくなりましたが、山や川に行くと見つかります。河原に落ちている十勝石は川に流されて外側は傷がついて白っぽく、単なる石ころに見えますが、かすかに真っ黒のガラス質が外から見えるので、十勝石だとわかります。
十勝の冬の体育はスケートがあります。教員やPTAの人たちが夜の間に校庭に水を撒いて天然のスケートリンクを作ってくれるのです。ちなみに小学校はスピードスケートが主流。中学校になると、フィギュアスケートやアイスホッケーになる学校もあります。オリンピック選手も多数輩出している地域です 。
十勝の中学生は、学校指定のジャージで通学します。制服通学が禁止されているわけではありませんが、ジャージが楽すぎて、学校行事のあるときくらいしか制服を着用しない子どもが多いです。下校後そのまま遊びに行ったりすることも。制服を買うのがちょっともったいないと思う場合は、お下がりを探しましょう。ふだん着てないので結構きれいです。
帯広競馬場で行われている世界にひとつだけの「ばんえい競馬」。騎手を乗せた、500kg ~1tの重量の鉄製のソリを馬にひかせ、全長200m、途中に2ヵ所の障害(坂)がある直線コースで早さを競うレースです。騎手と馬とが息を合わせ、勢いよく坂を駆け上がる姿は迫力満点。馬場のすぐそばまで行けるエキサイティングゾーンでは、馬と平行して歩きながら応援でき、ばんばならではの魅力となっています。競馬場の裏側を見学できる「バックヤードツアー」や、ばん馬とふれ合える「ふれあい動物園」も人気です。隣接する「とかちむら」では新鮮な野菜や畜産品、加工食品が購入できます。
ばんえい競馬は、馬体重がサラブレッドの約2倍にもおよぶ巨大なばん馬が、直線200mのセパレートコースで最大1トンにもおよぶ鉄ソリを曳く、世界で唯一のレースです。北海道開拓に活躍した農耕馬で農民たちがお祭り競馬として楽しまれていたものが原点です。本来農耕馬ですから力のあることはもちろんのこと、ものを引っ張る抜群の持久力を持つ馬。一般的な競馬はそのスピード感が大きな魅力ですが、ばん馬の魅力は馬のパワー、力強さです。コース中にある2つの障害(坂)を越えるときは騎手のテクニックが勝負を左右するので、最大の魅せどころとなります。ダイナミックな馬の姿をぜひその目に焼き付けてください。
■平地競馬は鼻先でゴールが決まりますが、「ばんえい競馬」ではソリの最後端がゴールラインを通過した時に決定します。これは「ばんえい競馬」が「荷物を運びきる」という競技であることに由来しています。
■馬のパワーやスタミナ、そして騎手のテクニックが大事なファクターとなっています。第1障害と第2障害との間では馬を止めてスタミナを温存させる場面が良く見られます。一気に攻めたり、一息ついたりと独自の駆け引きが生まれ、まさに人馬一体でレースが繰り広げられます。
■当日の馬場水分のパーセンテージが電光掲示板に表示されます。雨が降るとソリの滑りが良くタイムが早くなり、天気の良い日は水分が少なくタイムは遅くなります。これによってレースの展開が大きく変わります。
「バックヤードツアー」でばんえい競馬の裏側をのぞいてみよう。
普段は入ることができないレースの裏側を見ることができる「バックヤードツアー」。レース開催日に実施しており、ガイドさんが説明をしながら案内をしてくれます。最初に巡るのは装鞍所(そうあんじょ)。出走馬の馬体検査、蹄鉄、馬の健康状態をチェックするところです。馬体重の測定もここで行っています。そして次は厩舎(きゅうしゃ)地区。シャトルバスに乗車し、馬と人が生活している場所・厩舎地区を1周します。装蹄所前では、タイミングが合えば蹄鉄を付け替えている様子を見ることができます。そして最後に旧実況室へ案内。過去に実況室として使用していた見晴らしのよい部屋からレースを観戦します。現在の実況室と隣接しているため、実況放送の様子を伺うこともできます。
■受付時間 開門~14:40頃まで(※ナイター開催時の場合)
■受付場所 帯広競馬場スタンド1F奥 総合案内所
※団体(10名様以上)で参加希望の場合は0155-34-0825(広報)にて受付しております(水・木曜除く)。
※有料となります。
【帯広競馬場】
帯広市西13条南9丁目
TEL:0155-34-0825(代表)
http://www.banei-keiba.or.jp/
白い息を吐きながらトレーニングする馬を見られる「朝調教見学ツアー」
ばん馬は、レースに耐えうる基礎体力をつけるため、早朝にソリを引っ張ってトレーニングをしています。「朝調教」と呼ばれ、体からは汗が湯気になってもくもく立ちのぼり、厩務員が手綱で馬たちを指示していきます。数十頭の馬たちがソリを曳いている光景は圧巻です。全国からリピーターがやってくる人気のツアーです。
■受付 電話0155-34-0825(広報)にて受付しております(水・木曜除く)。
※有料となります。
いろいろな動物たちとふれあえる「ふれあい動物園」。
ばん馬たちをはじめとした動物たちとふれあえる「ふれあい動物園」。ばん馬のほかにもクォーターホース、アパルーサという種類の馬もおり、ふれあったりニンジンをあげることができます。ポニーやうさぎ、ヤギや羊、ニワトリともふれあうことができて、大人も子どもも楽しめる施設です。乗馬や記念撮影もできますよ。施設内のばん馬ギャラリーにはお手洗いが完備されていて、壁にはばん馬のさまざまな写真が飾られています。
ばんえい十勝の敷地内にある「とかちむら」には十勝のおいしいものやお土産がたくさん! 十勝のおいしい食材を使った料理を味わえる「とかちむらキッチンゾーン」、スイーツやおみやげを購入できる「スイーツ&セレクト」、生産者が直接持ち寄った安全で安心な農産物や、十勝をはじめとした加工品が並ぶ「産直市場」の3つのゾーンがありますよ。十勝を観光するのに外せないスポットです。各種イベントも積極的に開催していますよ!
【「とかちむらキッチンゾーン」店舗一覧】
■million sante(ミリオンサンテ)
十勝の旬の食材を様々な調理法でシンプルに提供しています! リーズナブルなシェアコースから本格フルコースまで。
■ぶた丼 たむら
十勝産の豚肉を「たむら」特製の秘伝のタレで焼き上げた、十勝名物のぶた丼専門店です。
■成吉思汗屋 肉ノ五右衛門
おいしい成吉思汗(ジンギスカン)をどうぞ。精肉店直営だからこその肉への徹底的なこだわり。夏場には屋外でバーベキューがご利用できます!
【「スイーツ&セレクト」店舗一覧】
■紫竹ガーデンカフェ
ドリンク、スコーン、オリジナルグッズを取り揃えています。紫竹ガーデンで人気のドリンク、手づくりスイーツをはじめ、とかちむらだけのメニューも。オリジナルギフト品も充実!
■Localista(ローカリスタ)
十勝管内のアーティストの作品を多数展示! お土産にピッタリな商品をたくさん取り揃えています。
日本人に「帯広の郷土料理ってなに?」と聞くと「どんどん」と答える方も多いと思います!大正後期から昭和初期にかけては、食材や調理器具の選択肢が少なく、一般の人でも美味しい豚肉料理を手軽に作れるように、蒲焼ウナギにインスパイアされた地元のシェフが「味の濃いトンドン」のタレを作りました。 帯広ではとんどんが有名!
冬は寒いですが、「十勝晴れ」が広がり、気持ちのよい季節です。
太平洋側にあるため、冬は雪があまり降らず晴れる日が多いのが特徴。冬の晴れた日を表す「十勝晴れ」という言葉があるほど日差しに恵まれている十勝。夏の2か月程度は東京を下回りますが、一年を通して青空が広がる日が多いため、太陽光パネルの設置台数も増えています。
十勝管内にたくさんある公衆浴場はほぼ100%が温泉! 市街地に住んでいても気軽に温泉を楽しめるのが十勝の特徴であり、ぜいたくなポイントです。世界的にも有名であり、北海道遺産にも登録された「モール泉」のお湯はトロリとした独特の肌ざわりが特徴。十勝川温泉やぬかびら源泉郷などの温泉街もあり、国内外問わず、大勢の観光客でにぎわっています。