アコギは、クラシックギター、フォークギター、エレアコに大きく分けられ、ギターの音色を左右するボディやトップにもさまざまな種類があります。
ギター初心者はこれらの基礎知識を知り、ポイントを押さえることができるようになれば、自分に合ったギターを見つけることができるでしょう。
選び方ポイント1.アコースティックギターの「種類」
アコギには「フォークギター」「クラシックギター」「エレクトリックアコースティックギター」などの種類があります。
自分の演奏したい音楽の特徴に合った種類を選ぶようにしましょう。
選び方ポイント2.アコースティックギターの「サイズ」
初心者のアコギ選びで大切なのは、アコギの大きさです。
初心者はアコギの抱えやすさ、弾きやすさを重視して購入することをおすすめします。
ドレッドノートサイズは標準的なギターのサイズであり、音楽のスタイルが決まっていないくても幅広いジャンルに対応することができます。
しかし、小柄な人や女性には大きく感じるかもしれませんので、フォークサイズを選ぶのがいいでしょう。
アコースティックギターは、ボディの形状や大きさにより、弾きやすさや音量、音色が変わります。
基本的にボディが大きいほど音量が大きく迫力のある音色、小さいほど繊細な音色になります。
アコースティックギターのサイズを大きく分けると、『ドレッドノートサイズ』・『フォークサイズ』・『ジャンボサイズ』の3種類に分類することができますが、一般的なのは『ドレッドノートサイズ』と『フォークサイズ』の2種類。初心者の方は、このどちらかを選ぶことをおすすめします。
選び方ポイント3.アコースティックギターの「使用木材」
ギターのボディはトップ板、サイド・バック板に分かれており、全てが木材でできています。
トップ板で多く使用されているのが「シトカスプルース」で、音量が大きくくっきりとした音が特徴です。
サイド・バック板で使われるインディアンローズウッドはオールマイティーであり、低音から高音まで幅広い音を出すことができます。
アコースティックギターのボディはボディートップ・ボディサイド・ボディバックの3つのパートで構成され、それぞれ木材を組み合わせて造られています。
その木材の構造によって、主に下記3種類に分類されます。
『オール単板(トップ・サイド・バックの全て単板)』
『トップのみ単板(トップのみ単板、サイドとバックは合板)』
『オール合板(トップ・再度・バックのすべて合板』
『オール単板』は、ボディ全体が加工処理のされていない一枚板で造られているのギターのこと、『オール合板』は複数の板を貼り合わせて造った板材を使用したギターのことです。
単板の特徴は、一枚板を使うことでギターの重量が軽くなり、振動が伝わりやすく、響きがよくなること。そのため、オール単板のギターはとても高価なものとなります。
一方、合板の特徴は、複数の板を貼り合わせるため、安価で丈夫なこと。しかし、単板に比べて振動が伝わりにくく、音の鳴りは劣ります。
『トップのみ単板』は、ボディのサイドとバックに合板を使うことでコストを抑え、トップには単板を使って響きをよくしたものです。
一般的な相場は、『オール合板』30,000円以下、『トップのみ単板』30,000円~、『オール単板』で80,000円~。
初心者の方には『トップのみ単板』か『オール合板』のギターをおすすめします。
選び方ポイント4.アコースティックギターの「弦の種類」
迫力のあるダイナミックな音色から、やさしく繊細な音色までを奏でることのできるアコースティックギター。その音色を奏でるために欠かすことのできないものが弦です。
弦は大きく分けて、『スチール弦』と『ガット(ナイロン製)弦』の2種類に分類されます。
弦は太いほどテンション(張り)が強くなるため、その分強い力で押さえなければなりません。
しかし、弾いたときの音の振動や衝撃が強く、大音量の迫力ある音を響かせることが可能。
逆に、弦は細いほどテンションが弱くなるため、押さえやすく弾きやすくなります。
弦の太さのことを「ゲージ」といい、それぞれ細いものから『エクストラ・ライト・ゲージ』・『ライト・ゲージ』・『ミディアム・ゲージ』・『ヘヴィー・ゲージ』と分類され、太くなるにつれ弦のテンションも強くなります。
一般的に販売されているほとんどのアコースティックギターは、標準的な『ライト・ゲージ』が使用されています。どんな演奏スタイルにも万能に対応できる点が特徴。
初心者の方や手の力が弱い方は、『ライト・ゲージ』かそれよりも細い『エクストラ・ライト・ゲージ』の弦を選ぶことをおすすめします。
スチール弦は、含まれている材質の違いによってさらに細かく分類されます。
代表的なのものに、『80/20ブロンズ弦』・『フォスファーブロンズ弦』・『コーティング弦』・『コンパウンド弦』があります。
『80/20ブロンズ弦』の80/20というのは、主原料の銅(ブロンズ)にスズが8:2の割合で含まれていることを意味しています。
アコースティックギターで使用される最もベーシックな弦で、一般的に「ブロンズ弦」と言えば、この「80/20ブロンズ弦」のことを指します。中低音のバランスがよく落ち着いたサウンドです。
『フォスファーブロンズ弦』は、主成分の銅にリンを混ぜて作られた、少し赤みがかった色味の弦のこと。ブロンズ弦に比べて耐久性があり、高音域が良く響いて煌びやかなサウンドです。
『コーティング弦』は、表面に特殊なコーティングが施された弦のこと。サビや汚れに強く、長持ちすることが特徴です。非コーティングの弦と比べると、値段は高くなります。
『コンパウンド弦』は、巻き弦の芯線にシルクを使ったやわらかい弦のこと。
やわらかく抑えやすいのが特徴ですが、サスティーン(音の伸び)や煌びやかさに欠けたサウンドのため物足りなさを感じることも。
初心者の方には、一般的な『80/20ブロンズ弦』がおすすめです。
初心者が数十万円もする高価なアコギを買うのはおすすめできません。
しかし、逆に安すぎるギターは、音質が悪くて思うような音を出すことができない可能性があります。
そのため、初心者におすすめしたい価格帯は3万円~5万円程度で、これくらいの価格であれば、音質が良いギターを購入することができますよ。
アコースティックギターとひと言でいっても、使われている素材やボディ、プレイスタイルによって種類は異なります。
アコギの大まかな種類が理解できるようになると、ロックやポップス、ジャズやクラシックなど、自分のやりたい音楽に合ったギターを見つけることができるようになりますよ。
まずは、アコースティックギターの種類について紹介します。
ギター本体(ボディ)の表面が平らなギターを『フラットトップギター(フォークギター)』と呼びます。
一般的に、アコースティックギターというと、このフラットトップギターのことを指します。
ボディの形や木材などの組み合わせが豊富で、様々なメーカーから販売されているので、自分の好みや演奏スタイルに合ったギターを選ぶことが可能。
スチール(金属)製の弦を張っているので、伸びのある音が魅力です。
しっとりとした繊細な音色も激しく迫力のある音色も奏でることができ、ロックやポップス、フォークやフィンガー・スタイルなどといった、幅広いジャンルに対応できるので、1本目のギターにおすすめです。
ネックと弦の距離が近いので、初心者の方でも演奏しやすい点もポイント。
フォークギターは、ヤマハが作った造語で一般的にアコギと言うとフォークギターを指す場合が多いです。
フォークだけでなく、ポップスやロック、ジャズなど様々な音楽のジャンルで使用されています。
指、ピックで弦をはじく奏法で、時には打楽器のように演奏する場合もあります。
フォークギターは、ブロンズ弦が使われていることが多く、キラキラした音色が特徴のギターです。
ナイロン製の弦を張っているギターのことを『ガットギター(クラシックギター)』と呼びます。
以前は、ナイロン製ではなく、ガット弦(ヒツジなどの腸を材料とした弦)を使用していたため、ガットギターという名前で呼ばれています。
ギター本体(ボディ)は、表面が平らなフラットップで、広いネックと小さめの本体、そしてナイロン弦を使用していることが特徴。
ガットギターは、材質の違いでさらにクラシックギターとフラメンコギターの2種類に分類されます。
ナイロン弦を使ったガットギターは、ソフトでやさしい音色が魅力。丸みのある音を活かせるクラシックやフラメンコ、ジャズやフュージョンなどの演奏に適しています。
ネックの幅が広いため、ネックを握りこむようなスタイルでのプレイや、ピックを用いたプレイには不向き。
ナイロン弦はやわらかいので、初心者でも弦を抑える指が痛くなりにくい点がポイントです。
クラシックギターとは、クラシックギターとフラメンコギターの2種類があります。
昔はガット弦を使用していたことから、ガットギターとも呼ばれています。
クラシックやフラメンコ、ジャズやヴォサノバなどのジャンルによく使用され、奏法はピックを使わずに指で弦をはじきます。
クラシックギターはナイロン弦が使われており、優しい音色が特徴です。
エレキギターと同じように、ピックアップ(マイク)が内蔵されているギターのことを『エレクトリックアコースティックギター』と呼びます。
基本的には普通のアコースティック・ギターと同じように演奏できますが、アンプなどを使用することで、大音量で演奏することが可能となります。
そのため、ライブやバンド、ストリートなどでのプレイを考えている方におすすめ。手ごろな価格のものも多く、デザインのバリエーションが豊富な点もポイントです。
エレアコは、分かりやすく言えばアコギのエレキギター版です。
アンプに繋げることができるため、音量の増幅や音の加工が可能であり、ライブにも便利です。
ギター弦はアコースティック弦、エレキギター弦のどちらを張っても問題ありません。
YAMAHA アコースティックギター FG SERIES FG820
1966年にリリースされた、YAMAHAのFGシリーズ。
演奏性、音色、品質に妥協することなく作り上げられ、かつ、求めやすい価格で登場したYAMAHA初の国産フォークギター「FG180」は大人気機種となり、「いいギターは高い」というそれまでの概念を覆すものとなりました。
その後FGシリーズは、50年以上にもわたって多くのギタリストに愛され続けています。
そして、優れた演奏性と品質を保ちつつ、これまでで最高のサウンドを持ったFGシリーズの新生が2016年に誕生した「FG8~」。
その中で、まずおすすめなのが「FG820」です。「FG820」は、迫力のあるダイナミックなサウンドが特徴のドレッドノートサイズのボディ。
トップ板にスプルースの単板、サイドとバック板にマカボニーの合板を使用したトップのみ単板タイプ。温かみのあるパワフルなサウンドをお楽しみいただけます。
また、「FG820」はカラーバリエーションが豊富なのも魅了のひとつ。
定番の「ナチュラル」から「オータムバースト」・「ブラウンサンバースト」・「サンセットブルー」・「ブラック」と5種類の中から好みに合わせて選ぶことができます。
YAMAHAの「FG SERIES FG820」は、パワフルかつ、迫力のあるサウンドのドレッドノートサイズのアコギです。
50年以上、多くのミュージシャンたちに愛されているFGシリーズの中でも、演奏性・品質共に優れているギターと言えます。
カラーバリエーションも豊富であるため、デザインにもこだわりたい人に嬉しいアコギです。
価格は32,000円~35,000円程ですよ。
モーリス アコースティックギター Morris F-351
MORRISの「F-351」は、初心者向けギターの定番のひとつです。
モーリスが入門用で販売しているM-280よりも、グレードが上がったものがF-351になります。
ネックが薄く、少し小さめであるため、初心者や女性が弾きやすい形です。
初心者がつまづきがちな、Fコードなどの難しいポジションも比較的押さえやすいでしょう。
価格は30,000円程です。
Morrisは、1970年のフォークブームを支え、一流フォークシンガーたちが愛用した、日本を代表するギターブランドです。
「F-351」はコンパクトでくびれの深いフォークスサイズのボディで、初心者の方におすすめのモデル。
トップ板にスプルース単板、サイドとバック板にサペリの合板を使用した、トップのみ単板タイプ。
本体価格が約30,000円と、サウンドを追求しつつ、コストパフォーマンスにも優れたギターです。
カラーも、定番の「ナチュラル」・「タバコサンバースト」・「チェリーサンバースト」・「レッドブラウンサンバースト」・「ブラック」と豊富に揃っています。
YAMAHA アコースティックギター FG SERIES FG830
同じくYAMAHAのFGシリーズから、「FG830」もおすすめ。
ドレッドノートサイズのボディに、トップ版にはスプルースの単板、サイドとバック板にはローズウッドの合板を使用したトップのみ単板タイプ。
「FG820」との大きな違いは、サイドとバックに使用している木材の種類です。
ローズウッドを使用することで、価格は少し高くなりますが、サスティーン(音の響き)が加わり、明快で伸びの良いサウンドをお楽しみいただけます。
カラーバリエーションは、定番の「ナチュラル」・「オータムバースト」・「タバコブラウンサンバースト」の3種類。
お気に入りのギターを見つけたら、楽しみながら練習していくことが何よりも大事なことです。